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やごさんブログ

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やごさんお蔵出し
「みんな、繋がってる?」

特殊能力を振り回すかの如きキャラクター達は本当にただの人間なのか?
ギャク描写の復元性はどこまでがギャグなのか?
ただ学園生活のバカ騒ぎが繰り返されるようでいて、
その環境、その友情は、
どこまでが与えられたもので、
どこまでが選び取ったものなのか?

描かれた絵のみでは判別できない以上、
錯視ネタの数々に疑惑はふくらみ、
4コマ間の時系列の飛躍はコマ間における論理関係の再解釈を促す。
極限まで圧縮された作画によりオタク的ガジェットは暗示に満ちあふれ、
現代の通信機器を駆使したコミュ二ケーション密度は爆発的に増大する。

4コマにおいてコマ間の繋がりがバラバラで不確実であるなら、
境譜音、英夕、三日科交流、三日科通果たちの絆も不確実なのか?

「みんなバラバラなようでいて、
 やっぱりちゃんと繋がっていて、
 繋がってるから変わることもたくさんあって、
 変わってくからまた繋がる。」

そして、単行本完結に至るまで誰も裏設定に確信を掴めなかった、
そのクリスマスプレゼントの中身とは? 

ストーリー4コマの方法論を突き抜けた、
4コマ史上の特異点といえる記念碑的作品。
| - | 09:18 | comments(1) | trackbacks(0) |
「もう茜にひどいことしないで!!」の巻
※この文章は3月25日に新宿ロフトプラスワンで行われた「エロマンガ・スタディーズvol.1」の感想の一部です。mixi日記で公開を薦められたので転載しました。

近年のオタク系漫画誌創刊ラッシュに伴うエロマンガ家引き抜き合戦で、最も標的とされ主力作家を集中的に連れ去られたエロマンガ誌が茜新社の「コミックRIN」でした。
http://www.akaneshinsha.co.jp/akane/rin/

そこで引き抜き例の簡単なリストを作ってみました。

東雲太郎…ヤングアニマル「キミキス」
笹倉綾人…電撃大王「灼眼のシャナ」
関谷あさみ…電撃萌王「はるのちゅう」
糸杉柾宏…チャンピオンRED「MONOクロ」、チャンピンREDいちご「キミキス」
國津武士…コミックアライブ「神ぷろ。」
望月奈々…コミックアライブ「ゼロの使い魔」
ベンジャミン…コミックREX「鬼ごっこ」(黒柾志西名義)
水島空彦…コミックRUSH「My Merry Mey Believe」他
上連雀三平…コミックRUSH「そらのカナタの!」(小野敏洋名義)他
カイシンシ…チャンピオンREDいちご「ラブユメみっくす」(読み切り)
草野紅壱…チャンピオンREDいちご「あばれんぼうWitch」(読み切り)

完全移籍・かけもち・単発読み切りと、それぞれ程度の差はあります。小野敏洋のように元々メジャーでバリバリ描いてた特殊作家も含まれていますが、その辺りは適当です。いちおう影響が深刻だと思われる順に並べています。(追記:特に下の3人は、現状で「引き抜き」という言葉を用いる程の影響はないようです。作家よりむしろ編集者が…という例かと。最近は大抵ネットで連絡先が掴める点も重要なようですが…。)

茜新社というとロリ系に完全に特化した「コミックLO」が何かと話題になっていますが、特殊な嗜好に特化しているせいかオタク系からの引き抜き対象としてはさほど例がありません。最近だと月吉ヒロキが「ドラゴンエイジPURE」に描いたぐらいでしょうか。
「コミックRIN」もロリ系なんですが、「園ジぇる」を母体とした「コミックLO」が小学校高学年辺りを目安にしているのに対して、「ひな缶」→「ひな缶Hi!」に「コミックバニラ」が合流した 「コミックRIN」は中学生以上が目安で(表紙が「ちゅうに」だし)LOほどロリ系に特化していないため、いわゆる萌えマンガとの相性がいいと言えるかもしれません。描写・年齢差がややハード路線の「コミックLO」(鬼束直のようにソフトな作家もいるけど)に比べ、「コミックRIN」はむしろ姉妹モノ辺りを基調にソフト路線で柔らかめの絵柄を好む傾向があるようです。また「コミックRIN」の特徴として、ショタアンソロ「好色少年のススメ」参加作家との重複も大きな要素に挙げられるでしょう。

「コミックRIN」が引き抜きの対象となった背景としては、やはり実際に編集を担当している編集プロダクションのコミックハウス(茜新社とは同一資本)の体質に拠るところが大きいといえます。派遣だったり契約だったりと雇用形態は個々の事例によって違うようですが、オタク系漫画誌を出している出版社の現場にコミックハウス出身のスタッフが相当数参加していることはよく知られています。秋田書店の場合も今回の創刊以前はオタク系の下地が薄かっただけに、そのような人事があったと考えると納得のいくところです。秋田書店以外ではやはり電撃系の引き抜き例が際立っています。RINの前身アンソロまで含めれば、笹倉綾人・関谷あさみ・上連雀三平・あらきかなお・御形屋はるか・水島空彦(ガオ最新号)・糸杉柾宏(萌絵萌絵コロシアム)等の執筆経験者が挙げられます。2chのエロマンガ板のコミックRINスレのタイトルに、【ライバルは電撃大王?】と書かれていた程に相関関係は強いものがあります。

引き抜かれたと言ってエロマンガの立場を嘆いてみても始まりません。状況を客観的に眺めてみると、引き抜きはエロマンガ側にとって必ずしもデメリットばかりではないことが見えてきます。引き抜きと言っても程度の差があると前に述べたように、笹倉綾人等、引き抜き先で成功を収めながら定期的に連載を休んでRINに執筆する作家もいます。作家にとって移籍は大きなチャンスですが、同時にリスクを伴います(「はるのちゅう」の関谷あさみ等)。作家を取り合う両サイドの編集も、作家が潰れてしまっては元も子もないわけで、エロマンガ側でも作家が一般誌で活躍して知名度が上がれば既刊の単行本の売り上げや出戻りのケースも含めてそれなりのリターンが見込める可能性があるわけです。元々エロマンガ作家は単行本1〜2冊ごとに移籍することが多いですし、他社出身作家がRINに移ってから伸びたケースも少なくありません。実際にこれだけ引き抜きの被害を受けながらも「コミックRIN」は2007年1月号から独立創刊を果たしています。

「ハイエンド論争」以降、「オタク向けのエロメディア(特に若年層向けソフト路線)の主導権がエロマンガからエロゲーに移った」とよく指摘されてきました。その流れに対して現在「コミックRIN」を取り巻く状況をエロマンガ側から見ると、より若い層に向けて「エロの壁」を下げることを意識したジャンル自体の生き残り戦略としても捉えられるところだと思います。作家や編集者や流通・専門書店等の関係者はそれぞれ個人個人で最適解を求め交流・拡散しながらも、ジャンル全体としてはエロゲー・ラノベ・同人誌等の他メディアに流れていく若年オタク層を「電撃大王」等のメディアミックス誌を介してうまくエロマンガまで還流させたいという意識が見出されるようです。

個人的には、「コミックRIN」に関して今回引き抜きの対象に挙げられなかった作家名も挙げておきたいと思います。巻田佳春・大孛輝*はな・LEE・瑞井鹿央等もレギュラー陣として充実しています。それぞれクセのない絵柄でマンガを構成する技量のある中堅作家、虎向ひゅうら・メラメラジェラシー・山本雲居等も引き抜きに揺れるRINの固定読者を支え続けてきました。特に毎回水準以上の出来を維持しているベテランの猫玄先生は本当にエロマンガ家の鑑だと思います。

…そんな感じですね。

宣伝リンク
コミック誌123選改訂版(メロンブックス通販)
エロマンガは含んでいませんが、コミック誌123選を作った経験がこの考察の背景となりました。読者のみなさまのご声援のおかげで、めでたく増刷の運びとなりました。どうか今後ともよろしくお願いします。エロマンガについて近いコンセプトで作られた本としてはGODHANDさんの「ゴッドハンドX2 望賢射たち」がオススメです。スゴイ本です。
| - | 21:13 | comments(9) | trackbacks(127) |
コミック誌123選+永遠の漫
1年9ヶ月の時を超え更新!

COMITIA78
日時
2006年11月12日(日) 11:00-15:30
会場
東京ビッグサイト東4ホール
配置
か-17a
TMRは、COMITIA78に参加します。

今回は第43回調査報告『永遠の漫』(頒価300円)に加え、別冊として3年ぶりとなる雑誌特集『コミック誌123選』(頒価500円)を引っさげてビッグサイトに参上します。この別冊特集はクロスレビュー総集編以来のオフセット本です。ページ数は本誌と合わせて200を悠々越えるという超規格外の代物に仕上がっています。乞うご期待!

なお、第43回調査報告と『コミック誌123選』を同時にお買い上げの場合、100円引きの700円で頒布させていただきます。本誌調査報告を読んだことがないという方も、この機会にいかがでしょうか?


第5回文学フリマ(委託販売)
また、コミティアと同日の11:00-16:00、東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎で行われる第5回文学フリマでも、この第43回調査報告+『コミック誌123選』は委託販売のかたちで頒布します。

委託先サークルは“No Knowledge Product(スペースNo. B-67)”です。

http://tmr.ysnet.org/2006/11/comitia78.html
http://tmr.ysnet.org/2006/11/bunfuri05.html
(以上公式サイトからコピペ)


ASUKA アックス アフタヌーン IKKI イブニング WINGS ウルトラジャンプ ガンガンWING ガンダムエース Kiss Chara  近代麻雀 近代麻雀オリジナル Cookie 月刊少年ジャンプ 月刊少年チャンピオン 月刊少年マガジン コーラス コミックアライブ コミックヴァルキリー コミックガム コミックゼロサム コミックバーズ  コミックハイ! コミックバンチ コックB'sLOG コミックビーム コミックファウスト コミックフラッパー コミックBLADE コミックボンボン コミックラッシュ コミック乱 COMICリュウ ComicREX GOLFコミック コロコロコミック コンプエース サンデーGX  Gファンタジー 週刊少年サンデー 週刊少年ジャンプ 週刊少年チャンピオン 週刊少年マガジン Jourすてきな主婦たち 少女コミック 少年エース 少年ガンガン 少年シリウス 少年ファング 少年ブラッド スーパージャンプ 絶対恋愛sweet Cheese! ちゃお チャンピオンRED  ちゅちゅ つりコミック デザート 電撃コミックガオ! 電撃大王 ドラゴンエイジ なかよし ネムキ 花とゆめ ビジネスジャンプ ビッグコミック ビッグコミックオリジナル ビッグコミックスピリッツ ビッグコミックスペリオール BE・LOVE FEEL YOUNG プチコミック Flowers プリンセス プレイコミック プレコミックブンブン Betsucomi 別冊花とゆめ 別冊フレンド 別冊マーガレット ホラーM  本当にあったゆかいな話 本当にあった笑える話 マーガレット マガジンBE×BOY マガジンGREAT マガジンZ  漫画アクション マンガ・エロティクスF  まんがくらぶ 漫画ゴラク 漫画サンデー まんがタイム まんがタイムきらら 漫画TIMES まんがタウン 漫画パチスロパニック7 まんがライフ まんがライフMOMO みこすり半劇場 ミステリーボニータ メロディ モーニング ヤングアニマル ヤングアニマル嵐 ヤングガンガン ヤングキング ヤングキングアワーズ ヤングサンデー ヤングジャンプ ヤングチャンピオン ヤングチャンピオン烈 ヤングマガジン YOU 百合姫 4コマKINGSパレット LaLa りぼん 麗人 恋愛白書パステル 恋愛天国 恋愛よみきりMAX robot
以上123誌+漏れた雑誌19誌

今回は3年ぶり4回目の雑誌特集という、
TMRにとって特別な企画です。
「自信作です」
みなさんの感想をお待ちしています。
| - | 01:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
COMITIA71
超久しぶりに更新してみます。

日時
2月20日(日) 11:00〜15:30
場所
東京ビッグサイト東1ホール
スペースナンバー
S16a
 TMRはCOMITIA71に参加し調査報告を頒布します。頒布物はコミティアでは初売りとなる、2004年度の漫画界を総括する「漫画ランキング2004」が特集の第34回調査報告『激漫の殿堂 マン・キホーテ』を中心とした既刊です。新刊はありませんが、会員有志が相撲漫画をクロスレビューしたペーパー『嗚呼どす恋TMR』を配布します。ご期待ください。

(以上 http://nk.50mb.net/tmr/ から再度コピペ編集)

 僕は「志村貴子先生、大丈夫ですか?」という個人原稿を4ページ書いていますが、内容を煮詰めることが出来なかったのでどうも不完全燃焼といったところです。まず単純に誤記が多すぎ。反省してます。
 『嗚呼どす恋TMR』にも参加していますが、これはオマケといったところです。

| - | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
第33回調査報告「くじびきマンガランス」
・特集・東大駒場学生会館地下闘技場サークル対抗最大トーナメント
・座談会「この漫画を改名!」
・クロスレビュー テーマ「秋の会員対抗推薦レビュー」
・メイドの行く道、萌える道(しょーこ)
・Front View逆取材 コミティア代表中村公彦インタビュー(やごさん)
・SHIT A DASH!!(てんくさ)
・大王より帝王(D.C.)
・マンガのタテ読み、子供読み(ばば619)
・石巻に行ってきた(84式山県人)
・賭博堕天録かわぐちかいじ(しうめい)
・雑誌の時間(河合杉等)
・TMRブックオフ全店制覇への道 〜第2回 千葉・茨城編〜 (プイ[編集])
・新刊ピックアップ

 TMR第33回調査報告「くじびきマンガランス」が完成しました。COMITIA70および55回駒場祭で頒布します。頒価は300円です。

 特集の「東大駒場学生会館地下闘技場サークル対抗最大トーナメント」は、漫画にあまたと登場するサークル・部活のなかから最強団体を決するというある意味無謀な企画です。TMRのプロ野球新規参入並みに厳正な審査で選考された45サークルの中から最強の栄誉を手にしたのは、意外にもあの有名サークル…?

 クロスレビューのラインナップは秋の恒例となっている推薦作品です。各会員が自信をもって推薦しただけあり、高得点が連発される傾向がありますが、果たして今回は異変の予感。また、懲りずに行ったブックオフツアーレポートや、コミティアに取材されたことをいいことに申し出た「コミティア代表中村公彦インタビュー」など、各種個人原稿も充実の出来で総ページ数は124を数えました。黄色い表紙が目印です。

(以上 http://nk.50mb.net/tmr/ からコピペ)

 僕の個人原稿は
「FRONTVIEW逆取材 コミティア代表中村公彦インタビュー」です。
 真面目に書いてます。

 感想がありましたらどうぞ。
| - | 02:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンガ論の最前線
 10月30日、池袋ジュンク堂へ、トークセッション「マンガ論の最前線」(夏目房之介、宮本大人)を聞きに行ってきました。

 少しだけ感想を書いてみます。
 でもあまりメモを取れなかったのでトークの内容については大雑把です。
 ごめんなさい。

 会場は4階カフェで、定員40名は一週間前には予約満席でした。
 挨拶を交し合うお客さん達を見てると、半分ぐらいは関係者・出版業界人なんじゃないかといった趣きを感じました。

 前宣伝によれば、
『ここ数年、マンガの多様化・成熟化にともない、マンガ論の水準や質が、大きく変わりつつある。マンガ読みの達人・夏目房之介氏と、新しい世代のマンガ研究者・宮本大人氏が、混沌としたマンガを語るための新しい枠組みを探る!』
ということでした。

 全体的なトークの流れとしては、夏目さんの新刊2冊について読み込んできた宮本さんが、マンガ史研究者としての立場から、今回の2冊の成果について解説・評価し、それに対して夏目さんは宮本さんの読みに応答して、著者としての考えたことや手ごたえを述べてゆく、という感じでした。
 宮本さんはアカデミックな視点から、不正確な点については厳しいツッコミを入れていましたが、そういった点は概ね夏目さん自身も感じていたことのようで素直に受け入れていたみたいです。

 夏目さんのしゃべりはBSマンガ夜話でおなじみですが、宮本さんのしゃべりは関西のイントネーションによる標準語で柔らかな物腰でありながら、明晰な語り口で話し出したらとまらないといった印象です。
 全体の3分の2以上は宮本さんが話していたように思います。
 そんな両氏の掛け合いは息が合っていて、マンガ論というちょっと生硬な話題ながらもきちんと会場の笑いをとっていました。

 そしてそんなトークの総体として現在のマンガ論の水準や質を示したかった、ということでした。

 具体的内容に触れていないのでこれではさっぱりですね。
 正直に言って、内容については夏目さんの新刊2冊を読んでない人にはちょっと説明しにくいです。宮本さんを知らない人も訳がわからないと思います。
 そのあたり興味がある人は自分で調べてみてください。
 あと僕自身が2冊ともきちんと読み込めたわけではないので…。

 以上を踏まえてほんのちょっと内容に触れてみたいと思います。

 うまくまとまらないので箇条書きです。
 ちょっと間違ってる部分があるかも。

宮本
・最初に『マンガの深読み、大人読み』(以下『大人読み』)は面白い、『マンガ学の挑戦』(以下『挑戦』)は凄いと思った。

・『挑戦』はそこから考えられるテーマが一杯でてくる。自分で考えはじめるきっかけになる本。1年かけてゼミで読むと面白い本。
・一気に読める勢いがある本だけど2回、3回読むとアレ?と引っかかる部分が出てくる。雑なところがある。
・大学講師として学部生が書いたら「君マンガ論やりなよ」と言うが、修士だったら「君学問向いてないよ」と言うような本。(会場・笑)
・表現論は猫の髭を一本一本調べるような方法だが、『挑戦』は猫からはぐーっと離れて上空からマンガ批評全体の地図を描くようなもの。文体もいままでと違う。
・『挑戦』の内容を延長しても、いままでの表現論の方法論は導き出せない。
・学問的にみると論理が飛躍している部分が結構ある。特に夏目さんの『テクスト論』の用法はよくある誤解で、一番危なっかしい。文系院生はそこで勝ち誇ったような気分になっちゃう。(会場・笑)
(ここでバルトの『作者の死』とテクスト論の解説が長かった)
・『挑戦』には『マンガは誰のものか?』というテーマが一貫してあるのは、夏目さんの『もう少し先にいきたい』という気持ちから。
・212ページの基本モデル「送り手→作品→受け手」だと、作者が一人で社会に対峙しているように読めてしまう。作者も社会の中の一構成員であって、かつては受け手だった存在。作品の制作には先行例に基づく類型が用いられたりする。逆向きのベクトルを欠いている。
・表現論は作者論の見方で、この本では夏目さんは7:3から6:4で作者寄り。読者側の受容論は十分でない。特に80年代以降の状況について。

・『大人読み』というタイトルに大きな含みがある。『大人』とは何かというテーマが本全体の背景にある。
・『あしたのジョー』&『巨人の星』のインタビューはいままでのインタビューにない深みがある。同じ事柄について関係者の見方がそれぞれ異なっていても、誰か一人に安易に『正解』を求めていない。創作状況を多角的に把握しようとする姿勢が成功している。
・1章で『大人読み』できた例は?

・博士論文「子供・戦争・漫画−大正末から昭和戦中期までの子供向け物語漫画の研究−」は現在1400枚ぐらい。
・手塚によって戦後マンガが始まったという神話があったが、戦前戦後の断絶がよりも幕末明治の断絶の方が大きい。

夏目
・問題点は大概書いた本人が一番痛感している。直す余裕がありませんでした。
・対外的にマンガについて説明する機会が多くなったことが『挑戦』のきっかけのひとつ。
・『マンガと戦争』は反映論を用いて書くことになった。
マンガと社会の関係を反映論に逃げずに論じるには表現論だけ不十分。 →『大人読み』に通じる?
・厳密な学問的な訓練を受けていない。うまく当てはまる学問的成果を援用してやってきたところがある。
・バルトに『作者の死』っていう言葉があるけど実は読んでません。フランス思想とかについても学問的な訓練はしていません。
・テクスト論については間違ってました。すいません。こういうときは素直に謝っちゃう。(会場・笑)
・受容論をできなかったのは力量がなかったから。
・80年代まではマンガが各メディアのコンテンツの貯水池になっていたが、現在では各メディアが並列になっている。

・『大人』というのは社会が決定するもの。親子関係とは異なる。マンガの青年化に立ち会っているし、『大人』とは何か?というテーマは以前からあった課題。東アジアではマンガが盛んだが、欧米ほど大人と子供の区分が強くない。何か関係あるか?
・作者の実感としては『大人読み』はできなかったと思う。1章で強いてあげれば『ねこぢる』。
・ドラゴンボールについては初出が集英社の媒体なので批判的なことが書けなかった。本当は終盤読んでいて辛くなる部分を論じるのが一番面白そうで、どこかの媒体で書きたかった。

・宮本さんの学問的な指摘は今までのマンガ論の水準ではできなかったもの。それをみなさんに示せればと思ってました。
・今年来年に出る予定のマンガ論の単行本が、伊藤剛さん・小田切博さん・ヤマダトモコさんなどいろいろある。そこでまたマンガ論の水準が上がると思います。
・マンガ研究は今後10年はまだ在野の方が水準が上だと思います。
・編集者論はやりたいと思ってます。

 こんなかんじでした。
 あと『ダ・ヴィンチ』が取材に来ていたそうです。

 夏目さんの出版記念のイベントですし、当然観客は夏目さんの読者の方が多かったと思いますが、僕には宮本さんのハリキリぶりが面白かったです。

 質疑応答の際に、隣の方が「何か質問しないの?」とおっしゃいましたが、終始シビレっぱしだったので根掘り葉掘り聞きたいことがありすぎて、要約すると、
「ゼミやりましょう。僕の卒論の指導教官になってください。」
というお願いになってしまうので我慢しました。

 じゃあ僕の感想というか考えたことを少しだけ。

 『挑戦』『大人読み』の2冊についての感想は読み込んでないのでまた今度。

 今回のトークショーは、マンガが歴史に、マンガ研究が学問になってゆくひとつの現場を垣間見たような気がしますが、マンガ研究における在野と官・学の区別ってどんなものなんでしょうか。

 発表した人から考えると、

 夏目さんは在野、宮本さんは学、というのは分かりやすいけど。
 竹熊健太郎さんが多摩美術大学非常任講師だったりするし…。
 川崎市民ミュージアム関係者って結構いるし…。
 マンガ学会の理事の人はどうなんでしょう?
 現在の所属・本業(収入源)というより経歴の問題なのかなぁ…。

 そんなに厳密に分けられるものでもないでしょうけど。

 マンガ論の発表された媒体(場)から考えると、

 商業誌とか学術誌とか同人誌とかあるけれども、マンガ論についての単行本が商業的に流通する市場がそれなりに成立したということはわりと重要な要素だと思います。(マンガ論の産業論?)その読者層はたぶん70年代以降に大学入学した世代で(分かりやすい例だと四方田犬彦さん米沢嘉博さん村上知彦さんが1953年生まれ)、原体験としていわゆるサブカルチャーの影響力を自明のものと捉えている人たちで、BSマンガ夜話の視聴者層といった感じでしょうか。

 また、僕の読んだ「学」側の論文の中から考えると、ともにマンガ論の歴史について論じた、
・瓜生吉則「〈マンガ論〉の系譜学」東京大学社会情報研究所紀要56号 1998年
・宮本大人「昭和50年代のマンガ批評、その仕事と場所」立命館大学言語文化研究13巻1号 2001年 
が重要であるように思います。(あくまで僕が読んだ論文の中での話ですよ)

 誰がどこでどんなマンガ論を展開したか、という内容を示すには、過去のマンガ論の成果を正確に参照してゆく学問的な蓄積によるアプローチが必要になります。もちろん論文の内容が一番重要なんですが、両氏の所属(当時)、年齢(世代)、発表された媒体が、僕にはどうも象徴的に感じられてしまいます。
(おそらく僕が瓜生・宮本両氏のファンだから)

 この両氏を『マンガの居場所』のパートナーに指名した時点では既に夏目さんはマンガ研究のアカデミズムの場における方向性を自覚しているようです。
 あたりまえか。

 なんだかマンガ論の世代論・受容論を、反映論の方法論で展開できそうな気がします。
(注意!この一文はギャグですよ)

(つづく?)

 …と思ったけどしばらくやめときます。

 ちゃんと本読んでからにします。
| マンガ論 | 06:18 | comments(1) | trackbacks(0) |